22.6
lifestyle

静岡で青い場所を作りたくなりました

「静岡にはすべてがある」

生まれ育った静岡を出ることを、考えたこともなかったというロッキーさんですが、24歳のとき、運命を一変させる出来事が起こります。

「たまたま読んだライブハウスの店長のインタビュー記事に感銘を受けて、突如、『俺も東京に出なければだめだ!』と思ったんですよ。翌日、そのライブハウスに、働かせてくださいと電話しました。結局、東京には、ずるずると、4年半ほど滞在していました。といっても、そのうち3年半は自分の家はなく、いろいろなところを転々としていました。いやあ過酷でしたね(笑)」

……なかなかロックな生活を送っていたようです。そんなロッキーさんが、静岡へのUターンを決めたのは、コロナ禍がきっかけだったそう。

「音楽関係の仕事が減り、同じ会社のオリジナルグッズを作る部署で仕事をしていました。主に、Tシャツを作っていたのですが、これなら静岡に戻って、もっとオープンなかたちでできるかもしれないと、会社に相談したところ、やってみたらどうか、と言ってくれて。いい会社ですよね(笑)。そんなわけで、2021年12月、仕事と一緒に静岡へ戻ってきました」

こうして、2022年1月、JR静岡駅新幹線の高架下に「OPEN FACTORY BLUEST(オープン ファクトリー ブルースト)」をオープンします。BLUEST(ブルースト)は、BLUE(青)の最上級(EST)。「もっとも青い」という意味があるのだとか。

「静岡って、青のイメージがあるじゃないですか。あと、青春とか青臭いとか、そんな意味合いも込めて、この名前を付けました」

そんなロッキーさんは数年ぶりに帰ってきた静岡で、どんな日々を送っているのでしょうか。

誰もが集える「寄り合い所」を作りたかった

「BLUESTのコンセプトは、『誰もが集えるTシャツ工場』。寄り合い所みたいな、老若男女、誰もが気軽に足を運べる場所を作りたかったんですよ。お昼はTシャツ工場とカフェ、夕方からは気軽に呑めるバーとして運営しています。Tシャツは1枚から作ることができますし、お茶だけでもOK。DJブースもあるので、今後はライブやDJイベントなどもやっていこうと考えています」

休日の昼寝は、海をボケ~っと見ながら

「2022年2月に第一子が生まれました。里帰り出産だったので、妻はまだ奈良の実家にいます。妻は初めて静岡に住むことになるのですが、『海があるのがいいよね』と言っています。奈良県には海はありませんから(笑)。僕も戻ってきてからは、休みの日は、海をボケ〜っと見ながら昼寝をしたり、考えごとをしたりしています。海以外にも、静岡には、美味しいご飯と豊かな自然、そして、のんびりできる空気があります。人ものんびりしていますよね。バスでもおばちゃんがやたらと話しかけてくるじゃないですか(笑)。いろいろな意味で温かいんですよね、静岡って」

朝ごはんはお気に入りのお店でおにぎりを

「駅南の黄金まんじゅう屋のおにぎりを買って出勤します。僕が買うのは昆布か鮭。おいしいですよ。まんじゅうが有名なのですが、おにぎりが陳列されていて、奥に行くと静岡おでんもあります。ここで朝ごはんを食べている人もいるし、お昼もいつも混んでいます。とても静岡を感じるお店です」

「家からお店まで、人と会わずに出勤できてしまうこともあります。東京じゃ、考えられません(笑)」。

ほがらかに話すロッキーさんの頭上を、新幹線がゴゴゴーと音を立てて走り去っていきます。

温かさとのどかさ、そして、自由な雰囲気が共存する「OPEN FACTORY BLUEST(オープン ファクトリー ブルースト)」は、もしかしたら静岡という場所を体現する場所なのかもしれません。